西表・船浮におけるイリオモテヤマネコ分布調査

船浮ヤマネコ調査グループ
代表:高相徳志郎 (琉球大学)
助成額:135万円(2009年度直接助成)

目的

 西表島の西端部はイリオモテヤマネコ生息の最後の砦とも言うべき地域であるが、この地域の入り口、船浮に近年「辺境を求めて」のキャッチフレーズの下、多くの観光客が訪れるようになっている。このため、船浮周辺でヤマネコの生息調査と観光客による影響調査を行うことにした。

調査方法と結果

 イリオモテヤマネコの生息調査には経験と知識が必須であり、むやみに生息地に入らないようにするため、プロカメラマンの横塚眞己人氏が調査を担当された。横塚氏は10年間西表島に滞在し、イリオモテヤマネコの撮影をされた経緯がある。調査期間は6月と12月のそれぞれ2週間であった。調査方法は、痕跡、自動撮影カメラによる調査、生息地の地形・植生の調査、えさ動物の生息調査、聞き取り調査であった。聞き取り調査では長期滞在を基にした地域住民との信頼関係が役に立った。調査地域は船浮周辺の山、浜辺、湿地としたが、傭船をして西端域浜辺(クイラ川流域、網取、崎山)でも行った。
 調査結果において特筆すべき点は、1) 調査地の大部分でヤマネコの痕跡が確認されたが(遭遇も2回)、頻繁にヤマネコの痕跡が見られた浜辺で定期的なツアー客が訪れるようになってから痕跡が見られなくなったことで、ツアー客の負の影響が強く推測されたことである。また、2) この浜辺にそれぞれ200メートル程の崖を挟んで隣接する二つの浜辺に多数の痕跡が見つかり(聞き取り調査でも)、それぞれの浜辺は放棄田を含んだ多様な環境につながり、えさ動物も豊富なことが確認され、ヤマネコの生息地として極めて重要な場所であると推測されたことである。なお、12月の調査終了直後、仔ネコの死体が船浮集落で見つかったが、横塚氏は立ち会うことができなかった。今調査の結果の紹介は横塚氏が船浮公民館で3月に行った(学術振興会科学研究費補助金支援)。

今後の活動

 船浮での観光客の入域がイリオモテヤマネコの生息に負荷を及ぼしていることが推測されたが、調査期間が極めて短く、根拠をもって結論づける段階に至っていないため、調査の継続が強く望まれる。また、船浮周辺でヤマネコの繁殖が推測されるが、この点も調査によって明らかにしなければならない。 
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